自然の価値 3
「自然は、有用な種、有害な種、そのどちらでもない種、というように、ヒトの都合でラベルを貼られる種の乱雑な寄せ集めではない」
「生態系は構成要素それぞれが特異的にかかわり合う複雑なシステムであり、それぞれの種が全体に寄与する要素として重要である」
「ヒトも他の生物も同じように進化の産物であり、決して神を形取った像ではないとしたら、ヒトと同じようにすべての種が固有の存在価値をもっているはずである」
・・・などの表現に、その考え方の特徴が表れています。
ムーアは宗教的な意味での種の平等を説きましたが、レオポルドは生態的な意味での種の平等を説いたのです。
ピンコットにあってはヒトと自然は対立するものであったが、レオポルドはヒトも他の種も同じ地球を構成するチームの一員とみています。
そして、ヒトにはもちろん自然を利用したり管理したりする権利があるが、他の種や生態系全体の固有の価値を認めたうえでその権利を行使する責任がある、と考えるのです。
保全生物学のリーダー格の研究者によって、野生生物の危機の現状を広く社会に訴えるためにつくられた「生物多様性」の概念・・・
これは、今、ヒトが自然に認めているこれらすべての倫理観に基づく価値を担う実体です。